ブレナム宮殿があるウッドストック近くの宿を出発して、20分くらいで到着する予定だったが、入口の反対側に着いてしまった。
大行列ができているので、列が途切れるところまで走ってから、Uターンする。
私がやっと門に到着したら、反対側から来た車が無理やり突っ込んで来た!
こんなやり方をする人もいるんだ・・
ノロノロ運転で敷地に入ると、どこまでも続く道を集団で移動。
はるか先の方に駐車場がある!
正しくは駐車場じゃなくて、芝生広場に車を停めているだけ。
スタッフが適当なところで左右に分けているが、私の前の車から左へ行くように指示された。
後で分かったが、右へ行った方が屋敷へ近くて良かった!
私たちは、延々と歩いて屋敷へ向かうことになった。
駐車場からは、全く建物が見えない・・
それくらい広い土地なのだ!
帰国して調べたら、ブレナム宮殿の敷地は、46平方キロメートルもある。
東京都千代田区、港区、渋谷区を足した大きさと、ほぼ同じだ!
あり得ない・・
向こうに見える並木道が、本来の宮殿への道路だ!
はるか後方に停めた車へ無事に戻れるんだろう?
途中、狭い線路がある。
えっ?と思って歩いていると、遊園地の列車みたいなのが走っていた♪
子どもが乗りたがるだろうなぁ・・
入口横のチケット売場には大行列ができているが、チケットを買わずに入って行く人も多い。
私が並んだ端っこの窓口は、特別に進み方が遅い!
質問の多い客が多いのか、スタッフがのろいのか、どちらかだろう・・
やっと順番が来たら、高校生のアルバイトみたいな男の子だった。
「おとな1枚」と言うと「屋敷を見ますか?庭だけですか?」と訊くので、屋敷も見る、と答えると£27だった!
公爵は、やり手だ!!
今日だけで、どれだけの売り上げになるだろう・・
今日は昔の騎士の戦いショーみたいなのがある予定なので、男の子連れが多い。
たぶん、ショーが目的の人は、庭しか見ないんだろう!
最初のチケット売場を無視して入場した人たちも、次のゲートを抜けることはできない。
ここで、またチケットを確認していた!
チケットを持たない人は、横のブースで購入している。
庭だけをタダで見ようという人も多いんだろう・・
玄関から正面を写したもの
建物は玄関がある建物から両側にウイングを持つコの字型だ。
玄関のアーチ部分を見上げると不思議な絵が描いてあった!
玄関ホールのようす
ガイドフォンを貸してくれるので、分かりやすかった。
時間がない人は、あまり役に立たないけど・・
内装は部屋ごとにテーマカラーがある。
ここは、上品な赤☆
部屋数は、およそ200だそうだ。
掃除係じゃなくて、ホントに良かった・・
私は、解説を全部聞きながら移動したので、見学に時間がかかった!
初代マールバラ公夫人は、ものすごく気の強い女性だったらしい。
何でも自分の思う通りにしないと気が済まないタイプだったそうだ。
城の内装を請け負った建築家に対しても、「値段が高過ぎる!」と言って、出入り禁止にしたという。
友だちとカードゲームをしている肖像画は、友人が画家の方を見ているのに、公爵夫人はカードのことしか考えていないという、利己的な性格を表している。
20世紀初頭のマールバラ公爵と結婚したアメリカの鉄道王の娘は、好きだったアメリカ人男性と婚約していたのに、母親が「公爵と結婚しないと、アイツを今すぐ撃ち殺してやる!」と娘を脅したそうだ。
その上、母親が病気になり、医者から「これ以上ストレスを与えると、お母さんが死ぬ」と言われて、仕方なく公爵と結婚したという。
当然、夫婦関係も良くなかっただろう・・
公爵夫人になっても、幸せとは限らない。
王室が持っているもの以外で宮殿と呼ぶのは、ここだけらしい。
女性が当主になれるのも公爵家だけだそうだ。
応接間だけでも、いくつもある!
もっとも、大きさはそれほど大きくない。
部屋に飾ってあるタペストリーについての説明もあったが、最近、これらのタペストリーを外して洗濯したそうだ!
デリケートで高価な材料を使ってあるので、数年がかりで復元したらしい。
おかげで、きれいな色彩を見ることができた♪
ダイニングルームも趣味が良かった☆
いちばん大きな部屋は、図書室だ!
裏庭から表側への長さを全部使ったもので、裏庭側の奥にアン女王の像がある。
ブレナム宮殿は、アン女王が宮殿として建設中だったものを初代公爵に与えたからだろう!
表側の壁には個人が持っているものとして最大のパイプオルガンがある!
最後は付属の教会だったが、教会というより記念碑みたいな感じだった。
一族は死ぬと、みんなここで葬式をしたらしい。
有名な英国のチャーチル首相も、近くに眠っているそうだ。
チャーチルがブレナム宮殿で生まれたことは、知っていたけど、ダイアナ妃が親戚だとは知らなかった・・
チャーチルに関しての部屋がいくつかあった。
フルシチョフに負けないくらい強面のチャーチルも、子どもの頃は可愛かった☆
チャーチルが生まれた部屋
どの部屋で読んだか忘れたけど、昔の英国の男の子は、スカートを履いていたそうだ。
初めてズボンを履く時が、成長の証しだったという。
おもしろい風習だ!
昔は男の子が亡くなることが多かったから、女の子に見せかけて神さまを騙そうという考えだろう・・
10人以上の子どもを産んでも、成人するまで育った男の子が1人もいないというのが、めずらしくなかったそうだ。
入場料は高いけど、見ごたえのある内容だったので満足♡
Blenheim Palace
Woodstock OX20 1PP
ブレナム宮殿へのルート