私が通った語学学校 Celtic English Academy では毎月、バスツアーを開催している。
留学して2週間後、バスツアーに参加した。
カーディフの北にあるブレコンビーコンズ国立公園内の滝をめぐるコースだ。
土曜日の朝、9時に国立博物館前に集合予定だったので、20分前に到着するように出かけた。
ところが、9時数分前に1人やって来ただけ。
彼が来たことで、場所と時間を間違っていないことは分かったが、その後8人やって来ても、バスは来ない・・
9時36分にやって来た日本人女性が、情報をくれた。
別の生徒に学校から連絡が来て、出発時間が10時になったそうだ!
あり得ないことでも、起こるのが英国・・
なぜ、参加者全員に知らせないのか?
小雨が降り出したので、みんなで国立博物館の屋根の下へ入って、バスを待つ。
1時間以上寒い屋外に立ちっぱなしで身体が冷え切った私は、暖かい部屋へ戻りたくなった・・
10時頃やって来たのは、小さなバス。
運転席の横に2人座って、ギリギリ20人乗れるサイズだ。
最後に遅れてやって来た2人組の女性のために、男の子が運転席の横へ移動させられた。
この時、移動して席を替わった男の子は、英国人でも日本人でもなかったので、つい母国の習慣で右側のドアへ回った。
ガイドは「そうか!じゃあ、今日はきみが運転して、ウェールズを案内してくれ!」とジョークを飛ばす。
男の子は、恥ずかしそうに席を移動していた・・
バスは、ブレコンビーコンズへ向かって走り出す♪
40分くらい走って、最初の目的地へ到着。
入口はフェンスでふさがれていて、人ひとりがやっと通れるくらいの隙間をくぐるようにして入る。
Sgwd Gwladysという滝だ。
ガイド役の男性が、生徒たちに「ここへ白い靴を履いてきたのは、失敗だよ!」と笑う。
白い新しい靴を履いている数人が、思わず自分の靴をジッと見ている。
道は舗装されていない上、落ち葉がたくさん積もっているので、滑りやすくぬかるんでいるところも多い。
フランス人の女の子が私のブーツを見て「あなたの靴は最高ね!茶色だから泥が目立たない」とほめてくれる。
そう言われても、新しいブーツが泥だらけになるのはイヤだ!
バスツアーに参加するのは、気軽に話しかけてくるタイプが多い☆
受付スタッフは、長距離歩くところはない、と言っていたのに、最初から延々と歩かされる!
多くの人が「まだ先なのかな?」と言っていたから、そう思ったのは私だけじゃない。
こんな風に整備されている道は、歩きやすい♪
30分くらい歩いて、やっと滝へ到着!
フランス人2人と記念写真♪
下から滝を見た後、更に奥へ進み、運転手とフランス人女生徒が、坂を駆け上がる競争をすることになった。
結果は、運転手の勝ち!
そりゃそうだ!
何度も来ているから、どこを上がれば一気に行けるか分かっている。
女の子は、イノシシのようにまっすぐ上がろうとするから、途中で滑って遅れた。
滝の手前は、考えられないくらい穏やかな流れだ☆
断崖では一気に落ちるから、すごい流れに変わる。
英国は『全て自己責任!』が徹底しているから、「滑りやすくて危ないよ」と注意はするけど、手すりなどの防護柵がないので、どこまで近づくかは本人次第。
大丈夫だと思って近づき過ぎて、落ちたら自己責任!
来た道を戻りバスに戻った時は、12時を過ぎていたので、「お腹が減った!」という人が多かったが、村のパブへ寄らずにバスで移動。
次の滝を見る前に、村の集会所みたいな場所でランチタイムとなる。
数少ないメニューのほとんどは、売り切れ状態だ。
私は、ウェルシュケーキと紅茶を注文。
いつも食べていたカーディフ市場の店のとは、違うタイプだ!
手作りで形がいびつだけど、美味しい☆
バスの中で仲良くなったアルゼンチンの女の子と日本人サワは、ハムを挟んだサンドイッチを食べていた。
英国のハムは、日本とは違い、分厚くてベーコンみたいに大きい!
バターを塗ってないパンに、焼いたハムを挟んだだけのサンドイッチは、私には魅力的とは言えない・・
再び歩いて、次の滝へ向かう。
今度のは、滝とは言えない!
段差に過ぎないような小さなものだ。
みんなの後ろにチラッと見えるのが滝!
地層のズレを見ることができるので、地球の成り立ちや地質学に興味のある人にはいいと思う。
バスに乗って、最後の滝へ。
狭い道を通って、誰かの家の前に停まったバスから降りて、細い道を入って行く。
ガイドが「次の滝は、5分くらいで到着できるけど、ものすごく急な坂道で滑りやすいよ! それから、急な坂道ということは、帰りも急な上り坂だから、気をつけて!」と言う。
ガイドの脅しなどではなく、めちゃくちゃ急な坂道で、しかも濡れた落ち葉が積もっているから、危険この上ない!
留学生活が始まったばかりなのに、こんなところで転落して骨折なんて、冗談じゃない!
一歩一歩踏みしめて歩くから、足が痛くなる。
流れ落ちる水の向こうに小さく写っているのが生徒たちとガイド
最後の滝は、かなりの高さがあり、滝の名にふさわしいものだ☆
流れ落ちる水の裏側へ行く道があるので、先に到着した人たちは、すでに歩いていた。
滝までの細い道は岩だらけで、濡れているのでホントに危険!
帰りは、垂直かと思うような崖をよじ登ることになる。
段差が大きいので、疲れた足が上がらない・・
バスに戻ったら、ガイドがその家の主人に「お騒がせしてすみませんね!」と挨拶していた。
2匹の犬たちが、うれしそうに尻尾を振って挨拶している。
後でガイドが教えてくれたが、ここの主人は狩りをする人で、鳥を撃つそうだ。
2匹の犬たちは猟犬で、獲物を持ってくるのが仕事らしい。
これがホントのレトリーバーだ!
犬種は、レトリーバーじゃないけどね♪
次は、山の上でバスを降りた。
晴れていたら絶景が見えるはずだけど、すでに薄暗くなっている上に霞んで良く見えないから、案内板を写しておく。
バスに戻ると、お菓子とペットボトルの水が配られた。
カーディフ市内へ向かっていたバスは、高速道路から降りて狭い道を走り、コッホ城へ到着!
ウェールズ語で『赤い城』という意味のカステルコッホが、正式名だ☆
ところが改修工事中だし、時間が遅いので、内部の見学もできない!
この城を楽しみにしていたので、ガッカリ・・
これに懲りて、二度と学校のバスツアーには、参加しなかった。
表紙は、3月にブレコンビーコンズへ行った時の写真☆
カステルコッホへのルート