機張郷校(キジャンヒャンギョ)

郷校とは、孔子を奉った霊廟のある地方都市の教育機関のことで、朝鮮時代の高等教育機関。
韓国は儒教の国なので、今でも孔子廟は大切にされている。

今年の夏、山口県萩市の旧明倫館小学校である明倫学舎を見学して、日本でも昔は、孔子廟があったことを知った!

残念ながら、儒教には全く関心がない私なので、積極的に見てみようと思ったことがない。
偶然、機張郷校の近所の店で食事をして、タクシーを拾うために歩いていた時に出会いがあった!

とても感じの良い男性で、「どこから来ましたか?」「何をしに来ましたか?」などと質問された。
韓国語オンリーなので、答えられない質問もあるが、どんどん訊いてくる。

「郷校のことを知っていますか?」と訊かれたので、「はい!」と答えると、うれしそうに説明を始めた。

韓国語を理解できないと分かると、持っていた封筒に漢字を書いて説明してくれる。
不思議と漢字だと理解できることも多い!

私と母が動かないので、タクシーを探しに行っていた知人のハさんが、戻ってきた。
男性から「ぜひ見学してください!」と誘われたが、時間がないので、「また今度来ます!」と断る。
最後に名刺を渡されたので、ジッと見ると、機張郷校の管理者!


数ヶ月後、初韓国旅の姪とその母(妹)を連れて、釜山へ行った。
機張でズワイガニをお腹いっぱい食べた後、伝統的な建物も見せたいので、郷校へ連れて行った。
釜山は、大好きな街だけど、中心部には伝統建築物がほとんどないから・・

母を誘ったけど、歩きたくないというので、タクシーに残ることをドライバーにお願い♡
門から入ったら、塀の向こうから男性が顔を出し、先に入った妹があいさつをしている。

近づくと、前回会った男性だと分かった!
彼も私を覚えていて、喜んでくれる。

約束通り訪れたことを喜んでくれたのか、わざわざ郷校の中を案内してくれた。
ここができたのは、1617年。
日本では、徳川家康が亡くなった翌年で、二代将軍秀忠の時代だ。

現存している建物は、1855年に建設されたもの。
釜山市の記念物に指定されている。

孔子が祀られている大成殿への石段は、かなり急で危ない。
大成殿は、高低差をうまく利用した敷地のいちばん高いところにある!

孔子廟の名前は、どこも同じ大成殿
これまで、韓国でいくつかの郷校を見ているけど、中を見せてくれたのは1ヶ所だけ。

大成殿の下に、学生たちが勉強する明倫堂がある。
いつも思うけど、韓国の学問所って、どうして壁がないのかな?
冬は絶対、寒いよねぇ・・

昔は、明倫堂の左右に学生寮があったそうだ。
今は、めずらしい竹とオンドルだけが残っている。

めずらしい原種に近いお茶の木を栽培している。
朝鮮時代から大切に守られた場所だから、古い木が残っているんだろう♪

ひと通り見た後、立派な事務所でお茶を入れてくれた♡
書棚に並ぶのは、漢字で書かれた本が多い。

儒生(じゅせい)の恰好をさせてもらった姪。
手の組み方にも作法があるらしい!

茶礼(チャレ)の衣装を着た姪と郷校の方。
茶礼は、先祖を供養する朝鮮半島の法事のこと!

元々、紫色がいちばん好きな姪なので、この衣装は喜んだと思う♡
カラシ色のセーターがちょっとヘンだけど・・

筆談で話したので、こういう風に漢字を書いてくれた。
左の『日本国』『韓国生』という言葉は、私が在日韓国人かと思って、尋ねたようだ。
韓国に限らず、海外では日本人と思われない私だから・・(笑)

最後に、1人ひとりにお土産をくれた。
なんて優しい人だろう!
学識豊かで、おだやかな人だった♡

母が待っているからと言うと、わざわざタクシーまでいっしょに来て、あいさつする。
儒教では、親孝行をヨシとするので、私を孝行娘だと誤解したんだろう。
母から『鬼娘(おにむすめ)』と呼ばれていたことを知らなくて、幸い♪

機張郷校へのルート