バース滞在6日目。
10時頃、ホテルをチェックアウトして荷物を預かってもらい、駐車場へ車を取りに行った。
バンクホリデーの朝なので、この時間でもすでに車がいっぱいだ!
英国では、祝日をバンクホリデーと呼ぶ。
目的地をセットして出発しようとしたら、グーグル大先生が「バスコット・マナーは、今日は休みです」と言う。
はぁ~?と思ったけど、それを知っているから知らせているんだろうと思って、目的地をケルムスコットに変更!
1ヶ所だけだと、宿へ到着する時間が早すぎるかもしれない・・
今日は、ものすごくキレイな空だ!
旅はこうあるべき、という見本みたいな空だけど、空気は冷たいのでマフラーが必要。
途中、川沿いに大勢の人がいる場所があった。
ボートもある。
ポントカサステ水路橋で見てなかったら寄ったかもしれないけど、同じようなものだろうから素通りして行く。
ケルムスコットも細い昔のままの道路を延々と走って行くようなところだ。
交通の便が悪かった時代にどうやって、この場所を探して家を建てようと思うのか?不思議でならない!
昔の人は、住むのに適した場所を本能で知っていたんだろう。
駐車場をめざしていくと、週2回しか公開していないためか、開館して15分くらいしか経っていないのに多くの車が停まっていた!
ちゃんとスタッフもいて、車を誘導してくれる。
私の前に4台の車がいたので一気に5台の車をさばくのにアルバイトらしいお兄さんは大忙しだった。
1組に1枚のパンフレットをくれる。
それを見ながら村の中を歩いてくださいね!ということだろう。
私は、みんなが歩いて行く後ろから付いて行く。
緑に囲まれた道を歩いて行くと、可愛い家が数軒あった。
この家は、ピンク色のつるバラが可愛らしい♡
どれが、マナーだろう?と思ったけど、どれも違っていた。
村のパブも立派な建物でハチミツカラーの可愛い建物だ。
ケルムスコット・マナーが解放される日は、多くの観光客でにぎわうだろう!
周りにある家も絵になるようなものが多い。
この家の人は、花より木が好きなんだろう♪
いちばん奥にあるのがケルムスコット・マナーだった。
道を挟んだ反対側の建物を全部ナショナルトラストが使っているようだ。
チケット売場では英国人には£1の寄付を求めていたけど、私には黙って入場券の料金だけを請求した。
きっと説明しても分からないと思ったんだろう。
「すぐにマナーに行きますか?」と訊くので、意味が分からず「どうしてですか?」と訊くと、「庭を見てから行くんだったら時間を変更します」と言う。
つまり有効時間が決まっていて、それを過ぎると入場できないということだろう。
チケットは、入口で回収されたのでよく覚えていない。
入口でいきなりスタッフのおじいちゃんがウィリアム・モリスについての説明をしている。
それを聞かないと中に入れないようだ。(笑)
私は建物の外観をセッセと写していたので、前のグループと時間がズレて、後から来た2人組と3人で話を聞いた。
2人は、ウィリアム・モリスについてあまり知らないようだ。
ヴィクトリア時代、産業革命によって工場で大量生産が行われるようになり、手作りや熟練工の価値が軽んじられるようになった。
資本家が富を独占し、労働者は貧困の中で働き続けるしかなかった時代だ。
生活と芸術の一致を求めたモリスの考えは『アーツ・アンド・クラフツ運動』と呼ばれ、各国に大きな影響を与えた。
モリスは、20世紀のモダンデザインの源流ともいわれる。
彼は自然からインスピレーションを受けようとケルムスコット・マナーを購入し、多くの作品を生み出した。
家の中はモリスのパターンを使った壁紙、カーテン、ソファ、クッションなどでいっぱい!

あまり実用的とは思えないテーブル。
頑丈そうだから長く使えるかもしれないけど・・
モリスデザインの同じパターンで統一された部屋。
クジャクがモチーフになっている!
モリスの妻・ジェーンは画家ロセッティの愛人でもあったワケだけど、こんなうっとうしい顔の女と一緒にいたら自分も病気になりそう・・
ジェーンの部屋は、家の中でもとても良い場所にある。
モリスの部屋よりずっと見晴らしがいいし、広い☆
これだけ大切にしてもらっても、ノイローゼになるような女とはサッサと別れてしまえばよかったのに!と思うけど、優れた芸術家は度々、ろくでもない女を愛するようだ。
家をひと通り見て、お腹が減ったのでカフェへ行った。
クリームティがあったので注文したら、「クリームティは14時からなんですよ」と言う。
ええ~っ!と言って、注文をためらっていたら優しいおばちゃんスタッフが「ちょっと待ってね・・訊いてくるから」と言って奥へ入って行った。
別のスタッフが「彼女のスコーンは美味しいのよ!」とウインクして言う。
「ジャムは、イチゴとラズベリーのどっちがいい?」と両手に小さな瓶を持って訊いてくれる優しいおばちゃん☆
スコーンを特別に出してあげると言ってくれたので、料金£6.5を先に払って待つ。
東洋系のスタッフが「どこから来たんですか?」と訊くので、日本から、と答えると「日本ではモリスがとても有名ですよね!」と言う。
そうなのかな?
たしかにモリスのエプロンなども売っているけど・・
カフェのトレイも全てモリスデザインだ。
スコーンは、カーディフのペディグリーの方が好きだけど、まだほんのり温かいスコーンは美味しい!
入った時、外のテーブルは、ほとんど空いていたけど食べ終わった時には大行列ができていた!
若い女の子が料理を運ぶ係みたいで、飛び回っている。
そもそも注文主が、どこに座っているか分からないんだから、探すのが大変だろう・・
英国は、効率的な労働への工夫が足りないと思う。
テーブルに番号をつけて、レシートに表記すれば済むことなのに!
イチゴジャムもクロテッドクリームも残さず食べた。
今回の英国滞在中、いったい何度クリームティを楽しんだだろう?
紅茶も濃くて美味しかった☆
最後にギフトショップへ。
隣の建物をそのまま利用した大きな店だ!
カントリーライフを楽しむ英国人にとって、ウィリアム・モリスは今でも大人気☆
決して安くない品ばかりだけど、次々に売れている。
昔、ロンドン郊外のウィリアムモリス博物館でいろいろなパターンの包装紙を買ったけど、もったいなくて使わないままだ・・
散々悩んだけど、何も買わなかった。
いくら何でもチェックインに早すぎる。
近くに見るところがないか調べようとスマホで検索しようとしたけど、電波が飛んでない・・
駐車場に戻ると、何とかノロノロ動いた!