スランベリス

北ウェールズの景勝地スノードニアに近いトレマドクの宿で、6日目の朝を迎えた。

マークが「今日は、早いねぇ!」と言うので、「うん、湖の周りを走る列車のことを詳しく訊きたかったから!」と答えると、それはスノードン登山列車が出発するスランベリスのことだった。

『ス』が『ク』のように聞こえるので、別の場所だと思っていた!
マークは言葉で説明しようとするが、文字で書いてほしいと頼む。

正確な住所がないと、目的地を入力できないからだ!
「後でメモを渡すよ」と言われた。

朝は忙しいから悪いと思うけど、ウェールズ語は文字がないと検索できない・・

 

 

スノードニアへ来て、今日はいちばん天気がいい♪
マークは、日焼け止めクリームが必要だと言う。

日本から持って来ていないから、どうしようもない・・
日焼けより肌トラブルの方がタチが悪いから、英国製は使えない!

 

部屋に戻って、スランベリスまでのルートをスマホに送る。
パソコンから送ったデータはちゃんと保存できるのに、スマホで入力した画面はなぜか保存できない・・

スランベリスまでの道は、これまでで最高のドライブコースだった!
山がたくさん見えるし、変化に富んだ風景を楽しめる☆

ちょこちょこ停まって写真を撮るから、なかなか前へ進まない・・(苦笑)

途中、いろいろな形の山や湖を見たけど、スランベリスへ下る時の両側の山が本当にすばらしい!
断崖絶壁を潜り抜けるようにカーブが続く道なのに、転落防止用ガードレールがない。

スリル満点で運転好きには、たまらない楽しいルートだ♪
でも駐車場がないので、写真を撮れない。

 

わずかなパーキングスペースには、どうやって抜け出すのか?と思うくらいビッシリ車が停まっている。
たぶん、英国人は日本人より運転技術が高いんだろう・・

いちばん景色が良いところは、真剣に運転していたので写真がない!
もっと、写真スポットを整備すればいいのに・・

スランベリスの街に入る直前、湖の向こうに見えた山は途中からスレートで覆われていた。
どうやら、この辺りにもスレート鉱山があったようだ。
色の差がおもしろい♪

街に入ると、すぐ左手に鉄道の駅が見える!
私が乗りたかったスノードン登山鉄道の駅だ。

駅前の駐車場に入ったけど、すでに空きがない。
仕方がないので、次の駐車場へ移動・・

幹線道路から少し奥に入ったところにある駐車場は、まだ少し余裕があった☆
駐車料金は、1日£4!
しかも、コインのみ利用可だ。

高いけど仕方がない・・
時間を気にせず動けるから、いっそいいかもしれない。

歩いてメインストリートまで戻ると、レイク鉄道と書いた文字を見つけた。

切符と土産を売る小さな建物に入ると、レジで後ろ向きに何かしている女性がいたので、「ハロー!」と声をかけた。
なんと「今、忙しいんだよっ!」と返事をしたので、ビックリ!

切符を買いたいんだけど・・と言うと、「これはレイク鉄道で、山へ行くんじゃないよ。いいんだね?」と言う。
ウェールズ人とは思えない態度の悪さだ!(ウェールズ人じゃないのかも・・)

「分かってる!大人1枚」と言うと、「£9」と、やっとふつうの物言いになった。

多くの外国人観光客がワケも分からずやって来て、スノードン登山列車のチケットを買おうとするので、ウンザリしているんだろう。

待っている間にも、間違って若い2人連れの観光客がやって来たが、冷たく追い払われた・・
チケットを私に渡しながら、「列車は、そこから発車するよ」とホームを指さす。

ほとんど時間がないけど、トイレへ行きたいのでキョロキョロすると、工事現場の簡易トイレみたいなのが2つ並んでいる。
ちゃんとトイレットペーパーもあったので良かった♪

いちばん端っこに立って、汽車が入って来るのを写そうとしたけど、みんなが身を乗り出して写そうとするので、前方へ移動した。
おもちゃみたいに可愛い汽車だ♡

乗って来た人たちは当然降りるもの、と思っていたのに、先頭の赤い車両から誰も降りようとしない。
その間に他の人たちは、後ろの方の車両に乗り込んでいた。

2両目は、予約席と書いてある。
中を覗きながら歩くと老夫婦だけの席があったので、あいさつして座る。

かなり年配の夫婦なのに、女性はiPhoneで写真を撮っている♪
写したものを確認して、2人で爆笑していた。

「コイツったら、風景を撮ったつもりで自分を写しているよ!」と、男性が笑いながら私に説明する。
いやいや・・その年でスマホを扱えるだけですごい☆


正面に見える三角の山がスノードン登山鉄道が行くところ!

出発すぐからキレイな湖の横をゆっくり走るので何枚か写真を撮ったけど、ふと見ると赤いサインが出ている!

何かと思ったら、バッテリー切れのサインだ!!
まだ1日が始まったばかりで、写真もほとんど撮っていないのに・・
たぶん昨夜、きちんと充電されていなかったんだろう!

時々そういうことがあるけど、何故かいちばん大切な時に困った症状が起きる!
ヤレヤレ・・と思いながらも予備のバッテリーがあるから大丈夫、と思いながらバッグのポケットを見たが、ない!

ええ~っ!
マジか・・と焦る。

このポケットは不思議なポケットで、よくバッテリーが消えるので、慌てずに探すけど見つからない。
だんだん本気になって、バッグを引っかきまわす!
とうとう見つからなかった・・
 
それでも充電器があるから、スマホで写せば何とかなる!
ただ、好きな構図が取れないのと、光を上手く調節できないから残念だ。

電車は湖を一周するワケじゃなくて途中まで行き、機関車だけが先頭に回って、来た道を戻るという仕組みだった。
複線になったところを、機関車だけ走って行くのが可愛い♪

最終地点で5分間、下りることができたので、湖の方へ歩いて写真を撮った。
スタッフが右前方を指差して、「あのとがった山がスノードンですよ」と手で三角を作りながら説明してくれた。

英語の勉強になるので老夫婦に積極的に話しかけたら、バーミンガムから来たと言う。
今日で3日間の旅行を終えて、バーミンガムへ戻る予定らしい。

「ウェールズへ何度か来て、初めて一度も雨が降らない旅行ができた!」と喜んでいる。
英国人がそう思うほど、ウェールズは雨が多いところだと再認識した!

離婚率の高い英国で、年を取るまで一緒に過ごせるカップルは幸せだ☆
男性が「おい、アレを出してくれ」と言いながら、小さな可愛いリュックを奥さんに渡す。
自分では、どこに何があるのか分からないんだろう!

奥さんが取り出したのは、プラスチックの小さな容器だ。
何だろう?と思って見ていたら、白いクリームを取り出して、いきなり帽子を取って頭に塗り始めた!

日焼け止めクリームだったようだ。
「皮膚がんが怖いからね・・」と言って、耳や首、手などに雑に塗っている。

白人は肌が弱いのに太陽が好きだから大変だ・・

行きは停まらなかった国立スレート博物館駅で停車する。
ここで、お土産や食べ物を売る作戦だ!
暑いのでアイスクリームを買おうと並んでいたけど、いつまで経っても行列が進まない。

下りる時に「何分停まりますか?」と訊いたら、「7分だよ。乗り遅れたら次の列車に乗ってね!」と言われていた。

あきらめて戻ったら、老夫婦がチョコアイスをくわえているのが微笑ましかった!

「あ、いいな♪アイスを買えたんだ。私はダメだった・・」と言うと、包み紙を見せながら「これが美味しいから今度、買いなさいね」と女性が茶色の包み紙を広げてくれた。


バーミンガムから旅行に来ていたステキな夫婦♡

今日は本当に天気が良くて山がきれいに見えるので、最高のコンディションだろう!
登山鉄道の駅だけでも写しておこうと思って行ったら、若者2人が走ってホームへ向かっていた。

駅員が指示した車両に乗り込んでいたから、もうすぐ発車すると分かった。
暑いので、日陰にあるベンチの前に立って待つ。

すると、男性2人が軽食を買って戻ってきたのに、女性陣が先に座っていたのでベンチに座れず困っていた。

こういう時、アジア人なら長いベンチの前に私が立っていても平気で座るだろう。
英国人は、私が使用しているものとして遠慮する。

私が、「どうぞ、座ってください」と指さすと「おや、いいんですか?ありがとう!」と言いながら、2人が仲良くくっついてベンチに座った。

私も立っているとキツイから座って待つことにした。
男性たちが食べていたのは、パイ生地に何かを詰めたものだ。
たぶん、コーニッシュパスティみたいなものだろう♪

コーニッシュパスティとは?
丸いパイ生地の中に肉や野菜を入れ、半分に折って焼いたペストリーのこと♪
コーンウォール地方の伝統料理だが、英国じゅうに専門店があるくらいポピュラーなもの。

1人の包み紙が風に飛ばされて舞い上がり、私の目の前に飛んできた!
カメラを持っていたけど、上手くキャッチ!
隣に座っていた人が「すごい!やったね♪」と、ほめてくれた。

張本人は「いや~、ごめんね・・」と包み紙を受け取り、再びパイを包んで食べ始めた。
列車がジワっと動き出したので、慌てて柵まで行ってカメラを構える。

すると、同じようにカメラを持った人たちがやって来て、一斉に写真を撮り出した!
列車は、すぐに見えなくなる。

ここの機関車は、真っ黒だった☆
写真を撮って満足したので、おじさん達にバ~イ♪と挨拶して別れる。
どうもね~!という風に手を振ってくれた。

アイスを食べたくて土産物屋に入ったが、ここには売っていなかった。
マグネットがたくさんある!

荷物が多くなかったら、絶対に買うんだけど・・
今でも持て余している状態なので、どうしてもちゅうちょしてしまう。

外にアイスを売っているところがあったけど、看板に載っている美味しそうなアイスじゃない。
レイク鉄道のチケット売場に戻って、さっき買うのをあきらめたカップ入りバニラアイスを買った♪

コーンアイスは£2以上するけど、これなら£1,5だ。
駐車料金を確保するために現金で買って、お釣りをもらう。
車で食べようと思って手に持っていたら、すぐに柔らかくなってきた!

車の中は暑くてたまらないので、エンジンをかけてエアコンをつける。
アイスは、まあまあの味だった。
英国には、アイスコーヒーがないから困る!

 

次の目的地をベトゥイスコイドに設定して出発したけど、途中で写真を撮ることに夢中になって、ルートを全然見ていなかったら、宿の近くまで戻ってしまった!

もう一度設定すると、何と30分以上かかることになっている!
ほとんどスランベリスに戻ることになるけど・・ホントかな?

時間も14時なので悩んだが、行くだけ行ってみようと思って戻ったら、T字の交差点を反対側に行くべきだった。

宿の方へ曲がってしまったのだと分かった。
何てこった・・


写真奥へ向かうとスランベリス、右がベトゥイスコイド、左がトレマドク方面

そこから坂道を下るように進むと、ベトゥイスコイドの町があった。
とても可愛らしい街でステキな店が並んでいるが、とにかく人が多くて駐車場もいっぱい!

ここでお茶していたら、戻るのが遅くなる。
写真を撮ることもできず、引き返すことにした。
キレイな風景を2度見られたから、それでヨシとする♪

スランベリスは、絶景に囲まれたすばらしい観光地!

ドライブ旅行に最高のルートだ♡

【注意!】
グーグルマップにもあるように、英語読みではスランベリスをランベリスと表記する。
これは、ウェールズ語の綴りがllanberisで、エル2つで始まるからだ。
ウェールズ語はエル2つで始まる地名が多いが、発音が非常にむずかしい!

スランベリスへのルート