Llechwedd Slate Caverns

スノードニアで迎えた旅の3日目は、朝から雨だった。

自然を楽しむ旅で、雨は致命的だ・・
英国人は、雨など全く気にしていないようだけど!

朝食の時に「今日は、どこへ?」と訊かれ、美術館にでも行こうかと答えると「スレート鉱山見学は、どうですか?私は5回行ったけど、おもしろいですよ」と勧められた。

鉱山には、あまり興味がないけど、スレートはウェールズの特産品だ。
地元の産業を知ることは、ウェールズを知ることになる!と思い、行ってみることにした。

宿のスタッフがツアーの開始時間を問い合わせて、予約してくれた。
「11時からのツアーに参加するなら、10時30分までに行かないといけないから、宿を10時に出発しなければ!」と言う。
食事を終えたのが9時30分くらいだったから、あまり時間がない。

急いでお茶を淹れてポットに詰め、予定より10分早く出かけた。
途中何があるか分からないから、早めに行動したい。

そして、この予感は当たった!
グーグル大先生が、また別の行き止まりへ案内したのだ。
どうやら、鉱山の跡地みたいでフェンスをしている。

幸い、Uターンする場所があったので坂道を下っていると、犬の散歩をしている男性がいた。
車を停めて道を尋ねてみたら、私が最初に向かった方の道へ曲がるようだ。

グーグルの肩を持つわけじゃないけど、この観光用スレート鉱山の場合、名称が統一されていないのが原因だと思う。
私が宿で聞いた名前と現地の名前が違っていた。

鉱山は右側に見えるというけど、そこまでの距離がよく分からない。
とにかく方向が分かったので、引き返して正しい道を進む。

かなり進んでも、それらしいものが見えない!
再び、傘を差して歩いていた女性に訊いた。

「丘を登って行ったら、右側にこ~んな大きな看板があるからね!」と身振り手振りで教えてくれる。
ウェールズの人は、本当に優しい♡

スレートの山をグルッと回るように走る道路で、町の反対側にスレート鉱山があった!
たしかに両方向から来た人に見えるように、大きな看板がある。

スタッフがレインコートを着て、目的別に駐車場を案内していた。
前の人はUターンしていったので、別のアトラクションに参加するんだろう。

「地底に潜るんですか?」と訊くので、そう!と答えると「あっちの駐車場へ進んでください」と右手を指差す。
駐車場には、また別のスタッフが立っていて誘導してくれる。

地元の学生バイトだろうか?
雨の中、大変だ・・

小雨が降っているのでフードを被って、みんなが向かっている方向へ進むと、受付があった。
左手にトイレがあるのが分かったけど、10時30分を過ぎているので、まず受付を済まそうと思って並ぶ。

レジの女性が「せな?」と声をかけてくれたので、話が早かった。
グーグルマップを使って来たら、道を間違えてしまった!と話すと、「あれはダメよ!」とぴしゃり言う。

英国のSATNAFと大差ないと思うけど・・
ちなみにSATNAFとは、satellite navigation system(衛星ナビゲーション)のことらしい。

「ともあれ、こうやってここへ来たから良かったわ!それが大切よ」と、いかにも英国らしい言い方をする。

パソコンの画面を見られる場所に私を誘導して、「こうやって、あなたに10%の割引を適応するから・・」と言いながら画面操作をするけど、上手くいかない!
何度か操作して、やっとできた!

事故を防ぐためか入院患者みたいな『ちぎれない素材のリストバンド』を手首に付けられる。
暗い坑道で行方不明者が出たら、大変だからだろう・・

トイレへ行きたかったけど、時間がないみたいで「ここから入って・・どうのこうの」と説明する。
私が理解できないのが分かって、別のスタッフに「彼女を地下ツアーに案内して!」と頼んでくれたので、おじさんが案内してくれた。

「あそこにある建物へ行ってね・・あ、男性が向かっているところだよ。気をつけて!楽しんできてね♪」と外まで誘導してくれた。

 

建物に入るとトロッコ型のベンチがあって、すでにたくさんの人がヘルメットを被って、出発を待っている。
安全のために、全員が着用する規則らしい。

トイレは、ここにはなかった・・
スタッフが人数を確認している・・全部で21人!

黄色いケーブルカーみたいな小さな乗り物だ。
体格の良い英国人同士だと、膝がぶつかってしまうくらい狭い。

昔のトロッコを体験するために、当時のサイズを使っているのかもしれない。
地下500mまで何分もかかるワケじゃないから別にいいけど・・
イースター休暇なので、子連れが圧倒的に多い!

トロッコを下りると、坑道へ入る。
日本みたいに安全を考えて非常灯を付けたりしていないので、ホントに暗い!

説明担当スタッフが小さなライトを持っているだけだ。
最初は、女性が説明を始めた。

暗闇に人が写し出され、その映像がしゃべる。
彼が、この鉱山の持ち主のようだ。

その後も場所を移動する度に、炭鉱夫が話をしたり、8歳の少年炭鉱夫の声が聞こえる。
できるだけ当時の坑内の雰囲気を変えないようにする工夫と最新の映像技術を併用した、興味深いやり方だった。

途中、チェーンを使った高所での作業について映像を見た後、実際にチェーンがぶら下がっている場所で説明をした。
参加者からの質問に女性スタッフが答えられなかったので、男性スタッフが交代。

たぶん、彼は元炭鉱マンだと思う。
チェーンをどうやって足に巻くだけで作業したのかを訊いたようだ。

彼がチェーンを右足にクルッと巻いて、ぶら下がって見せた!
本当にシンプルなやり方だけど、サッとできて簡単に外せる技だ☆

たったそれだけの装備で高所作業をしても特別手当が出なかったというから、昔の労働者にはなりたくない・・

大人より子どもの方が向いていたという理由も分かる!
子どもの方が体が柔軟だし、体重も軽いからチェーンを利用しやすいだろう。

鉄の棒でスレートを薄く切り出す作業を体験する子どもたち。

坑内に溜まった水を活かした映像と音楽もステキだった☆
ウェールズの人は歌が上手だと聴いていたけど、すばらしい♪

長時間労働の中で、唯一の楽しみはやはり食事だったようだ!
しかし食事内容は劣悪だったようで、歌は「肉が食べたい、チーズが食べたい」というセリフらしい。
ウェールズ語なので全然分からないけど、歌にピッタリの言葉だということが良く分かった☆

最後に食事風景を再現した場所で、グループごとに写真を撮ってくれる。

トロッコまで戻る時、最後尾にいたので、若い男性スタッフが話しかけてきた。
彼が話す英語は分かりにくかった。

「ごめんなさい!英語が下手だから・・でも、ツアーはとても楽しかったです。ありがとう!」と言うと、うれしそうにニッコリ笑っていた。

雨が降らなければ来なかったスレート鉱山だが、ウェールズの産業や歴史の勉強もできて、とても楽しかった☆

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