萩藩の教育や人材育成の中枢を担った藩校・明倫館。
1718年、萩藩5代藩主・毛利吉元が創建、現在の位置に移したのが13代藩主・毛利敬親。
敷地面積が約15,000坪もあったそうだ。
その跡地に建築された日本最大の木造校舎である旧明倫小学校を改修整備し、2017年、新たな観光施設としてオープンした。
本館には、萩藩校明倫館展示室、 明倫小学校展示室、復元教室、天井裏見学室、ジオパークビジターセンターなどや、観光センター、カフェ・レストラン「萩暦」、萩のお土産ショップがある。
2号館は別料金が必要で、世界遺産の明治日本の産業革命遺産を紹介する世界遺産ビジターセンターや、幕末の歴史に関する貴重な資料を一堂に紹介する幕末ミュージアムなどがある。
正直なところ、私は藩校跡地に建てられた美しい校舎を見ることが目的だった。
昭和10年に造られた木造校舎は、フランス瓦を使ったすばらしい建築物だ☆
気軽に訪れた私を待っていたのは、厳しいコロナ対策。
館内はマスク着用で、アルコール消毒を済ませてから、受付で見学料を払う。
住所、氏名、連絡先などを記入させられ、土足厳禁なのでスリッパに履き替える。
日傘の持ち込みは禁止なので、鍵付きの傘立てへ。
鍵に付けられている幕末から明治維新に活躍した人々の名札がいい♪
吉田松陰(よしだ しょういん)を選んだ。
入館するまでの手続きは大変だったが、館内のあちこちに待機しているガイドさんが、すばらしい☆
コロナのせいで観光客が少ないこともあるだろうけど、とても詳しく説明してくれる。
1929年、国の史跡に指定されたそうだが、旧明倫館小学校として2014年まで使われていたと聞いて、驚いた!
萩藩校明倫館展示室では、昭和10年に藩校時代の建物が壊される前に作られた模型を見た。
何と、手先の器用な小学校の先生たちが、急きょ作らされたらしい!
ここで驚いたのは、敷地の中心にあるのが、孔子廟だと分かったからだ。
3年くらい前に韓国の釜山市北部にある機張(キジャン)で郷校(ヒャンギョ)という藩校に似た教育施設を見た。
韓国の郷校には必ず孔子廟があり、とても大切にされていた。
日本も同じだと思っていなかった・・
さらに、木造校舎の前に2つ並んで置いてある記念碑が、韓国で見るものとソックリだったから不思議だった。
カメが重い碑文を背負っている!
韓国のカメがかわいそうだと思っていたが、日本も同じだ。
ガイドをしている初老の男性に話すと、「多くの文化は中国から来たのだから、当然ですよ」と言う。
理屈では分かっていても、実際に見ると感動する♡
明倫小学校展示室では、当時使われた道具を展示してある。
少し形が違うけど、私も小学校で使ったような木製の机やイスが懐かしい♪
黒板の左右に掛けてあるのは、明倫館小学校で学年別に覚えさせられた学習への心がけのようなもの。
実際に、子どもたちが、これらの文を暗唱する映像を見ることもできる☆
小学1年生が最初に覚えるのが『今日よりぞ 幼心を打ち捨てて 人と成りにし 道を踏めかし』という言葉。
山口県は文化・芸術への教育が進んでいると分かっていたけど、すご過ぎる・・
階段の踊り場は、とても広くて立派だ☆
こんなすばらしい校舎で学んだ生徒たちがうらやましい!
ガイドによると、明倫館小学校へ通うのは、萩では憧れらしい。
何しろ、吉田松陰、高杉晋作、乃木希典などそうそうたる顔ぶれが卒業生なのだから!
表紙に使った車寄せがある立派な玄関の上にあるのが、貴賓室。
公立の小学校なのに、貴賓室があるのは不思議!
卒業生にお偉いさんがたくさんいるから、こういう部屋が必要だったらしい。
なるほどねぇ・・伝統校ならではの苦労もあるんだ。
こんな長い校舎が4棟もあるんだから、すごい!
掃除が大変そうだ・・
朝食を食べて時間が経っていないから、レストランは覗いていない。
土産コーナーは萩焼、維新Tシャツ、夏みかんを使ったお菓子、海産物加工品などを置いていた。
喉が渇いたので、夏みかんジュースを買い、車で飲んだ。
ボトルの写真くらい撮っておけば良かったなぁ・・
朝食で飲んだ夏みかんジュースも美味しかったが、夏みかんはジュースに向いていると思う。
サッパリして飲みやすい☆
でも、最近は甘いオレンジ類におされて、人気がないとガイドが嘆いていた。
車寄せの近くに植えてある夏みかんの木。
こんなに小さくても、大きな実を付けているのが、すごい☆
明倫学舎は、萩について1ヶ所でアレコレ学べる良い場所だ!
名前 明倫学舎
住所 山口県萩市大字江向602
明倫学舎へのルート